モーターのコイル焼損時・絶縁抵抗値低下時・電圧変更などの場合に、コイル巻き替えをおこないます。誘導炉コイル・ブレーキコイル・マグネットコイルなど様々なコイルの補修・巻き替えも承ります。巻きかえや巻きなおし(巻き直し)とも呼ばれます。
また電圧変更の場合、結線替えにて対応することも可能です。

モーターコイル巻き替え・製作・電圧変更

全て自社でおこなう、電動機コイルの再生技術。
コイルや絶縁物の劣化は絶縁不良・漏電・焼損・火災などの原因となります。

 

当社は電気機器組立て(回転電機巻線製作作業)の1級技能士が在籍しています

 

この度補助金の採択を受け、型巻コイル修理設備の導入しました。

詳細については、以下のページにてご紹介しています。

 

 

コイルの巻き替えを依頼されるお客様
修理目的 コイルの焼損・地絡・絶縁抵抗値の低下、絶縁物が劣化されている場合にコイルを巻き替えます
更新目的

絶縁物等の老朽化に伴い予防保全のため、絶縁階級を上げる目的でコイルを巻き替えます

 

各相の巻線抵抗値にバラツキ(不平衡)がある際にも巻き替えます

 

当社では、巻線抵抗値の不平衡率が5%を超えている場合
もしくはそれに近い値の場合巻き替えを推奨しております

電圧変更

使用している設備に合わせ、電動機の電圧を変更する場合には、結線替えをおこないます
結線替えでは対応できない場合には、コイルを全て巻き替えます
(例:220V→440V、220V→380V、440V→220Vなど)

納期優先

モーターが故障した際、新品モーターを入手することができず、
継続した使用を希望される場合にコイルを巻き替えます

 

 

なお不平衡率の計算式は以下のとおりです。
巻線抵抗値の不平衡率の計算

 

コイルの巻き替えが必要かどうかを診断する「精密絶縁(コイル)診断」も対応可能です。

 

 

 

その他にも、2015年度モータートップランナー制度導入に伴い…

  • 設置スペースが、既存のモーターでしか対応できないため
    …全長、全幅、軸径、脚穴位置の寸法が異なる場合があります
  • 始動電流が増加するため、制御装置の改造が困難なため
    …ブレーカー・電磁開閉器(マグネット)の交換が必要となる場合があります
  • 回転速度が増加するため、過負荷運転となる場合があるため
    …ポンプなどの場合、ポンプ側との負荷運転状況を確認しなければなりません。
  • 新品モーターを注文したが、納期に間に合わない
    …近年モーター納期が数ヶ月かかる場合が多いため、巻き替えをご提案しております。

 

上記の理由で、新しいモーターに更新(取り替え)できない場合には、
モーターコイル巻き替えを推奨します

 ここでは一般的なコイル巻き替えの流れをご紹介します。

 

コイル巻き替えフローチャート

 

 

⑴ コイル製作(成形)

受入時のコイルをもとにデータを採取し、新しいコイルを製作します。

 

 

 

⑵ コイル引き抜き

外部鉄心を損傷させないように、
スロットと呼ばれる鉄心に設けられた溝からコイルを抜き取ります。

 

スロット引き抜き1

 

⑶ スロット内検査・清掃

スロットのズレ・焼損コイルの焼き付き等がないかを、精密に検査します。
スロットは取替できない場合が多いので、修正を行い再利用します。

 

またコイル脱着後に不純物がないように、鉄心をすみずみまで清掃します。

 

スロット内検査

 

⑷ 絶縁物挿入、コイル入れ・結線

スロット内に絶縁物を挿入し、製作したコイルを入れ結線をします。
もちろんリード線(口出線)も新品に取り替えます。


高圧3300V 250kW 固定子コイル


高圧3300V 250kW 回転子コイル

 

 

⑸ ワニス処理(真空含浸)、乾燥

絶縁・耐熱・防塵・防湿のため、コイル・絶縁物を保護膜でコーティングします。

 

 

⑹ 組み立て、出荷前拘束試験・無負荷試運転

コイルの巻き替え後は弊社工場内にて組み立てられ、絶縁抵抗値・巻線抵抗値を測定、
拘束試験(ロックテスト)・無負荷試験をおこない、異常のないことを確認の上お渡します。

 

 

AIW

低圧モーターに多様されているマグネットワイヤー(ポリアミドイミド銅線AIW)については、

ある程度の電線サイズを保有していますので、短納期で巻き替えが可能となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし、高圧モーターや一部の低圧モーターに使用されている平角線については、

受注発注のため数ヶ月納期がかかる場合があります。

 

 

口出線(リード線)の取替は、コイル巻き替え時や
口出線の劣化・損傷、口出線の本数、電圧変更の場合におこないます

 


受入時の口出線(リード線)をもとに、
電線(素線)断面積と長さを測定します。
測定したのちに、分解・リード線の取り外しを開始します。


口出線をコイルとの接合部から切り離し、新品の口出線と付け替えます。
口出線の本数を変更する場合は、結線を変え結線します。

 

 

電圧変更の際、3.7kW程度以上の電動機で、
定格電圧の2倍であれば、結線替えで対応することも可能ですが、
モーターの仕様によっては巻き替えないと電圧変更できない場合もあります。

 

また結線替えとは、並列に2つ並んでいるコイルを直列で1つのコイルに替えることです。

 

 

コイルの巻き替えは、専用の工具や乾燥設備を保有する専門工場でしかできません。

75年以上の実績がある当社へ、ぜひご相談ください。