モーターが故障したり異音・振動・発熱・漏電・絶縁劣化など、お困りの場合はお気軽にお問い合わせください。
モーター(電動機)をより長くご使用いただくためには、定期的な保守点検やオーバーホールが欠かせません。
・ベアリング(軸受)の交換
・シールなどの消耗品交換
・その他不具合箇所の補修・修理
初期故障期 |
製品の初期不良、設計上の欠陥により故障率が高くなる傾向があります。 |
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偶発故障期 | 製品の初期導入からある程度時間が経過すると故障率が安定していきます。 |
寿命期 | 製品寿命がきた状態であり、摩耗や劣化・損傷などにより、故障率が高まります。 |
ここでは一般的な電動機の分解整備(モーターオーバーホール)の流れをご紹介します。
まず絶縁抵抗値および巻線抵抗値を測定し、異常がなければ定格電圧にて試運転します。
コイルが焼損・劣化している可能性がある場合には、試運転をおこなわずに整備課にて分解し、
固定子コイルまたは回転子コイルが巻線室に送られ、巻線課にてコイルの巻き替えをおこないます。
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電圧をかける前に一度手回しし、軸受部などに異常がありそうな場合には、試運転はおこないません。
また絶縁抵抗値が著しく低下しているとき、巻線抵抗値の平衡率が5%を超えているなど、
異常が確認された場合にも試運転をおこないません。
電動機を細部まで分解し、各部寸法に異常のないことを確認します。
ベアリングやオイルシールなどの消耗部品は新品交換します。
各部品の計測には、適切なマイクロメーターを使用し、各部品の寸法が許容値内かを確認していきます。
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振動モーターについては、ブラケットインロー部の嵌め合い測定も重要なポイントです。
通常モーターと違い単体での振動が大きいため、嵌め合い不良の場合ブラケットが脱落する恐れがあります。
ベアリング嵌め合い部の測定は、オーバーホール時には必ず行います。
振動モーター(ユーラスバイブレータ※)については、
ブラケットインロー部の嵌め合い測定も重要なポイントです。
通常モーターと違い単体での振動が大きいため、
嵌め合い不良の場合ブラケットが脱落する恐れがあります。
※ユーラスバイブレータ(ユーラスモーター)は、ユーラステクノ株式会社様の商標登録済です。
各部品を清掃し、モーター内部の状況に応じて高圧スチーム洗浄・乾燥をおこないます。
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また機械加工での修理が必要な場合には、機械加工課にて溶射加工をおこなったり、
モーターカバーなどが破損して、純正部品が入手できない場合には、機械加工課 製缶係にて現物合わせにて製作する場合もございます。
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洗浄・乾燥されたモーターはワニス処理され、固定子コイルの巻き替えが終わったもの、
機械加工が終わったものについては、再度寸法計測や電気的な試験ををおこない
異常がないことを確認し、再び整備課にて慎重に組み立てていきます。
※ワニス処理は、絶縁・耐熱・防塵・防湿、コーティングを目的とします
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組立後、絶縁抵抗値・巻線抵抗値を測定し、異常のないことを確認し、試運転します。
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※高圧電動機の試運転は、電源容量の都合上300kW程度まで工場内試運転が可能です。
ただし650kW程度までの電動機の場合、印加電圧を下げ(例:880V)定格回転数にて
温度上昇試験や振動測定をおこなうことが可能です。
電圧の変動率 | 始動トルク | 同期速度 |
全負荷時の |
全負荷電流 | 始動電流 |
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110%電圧 | +21% | 変わらず | -3~-4℃ | -7% | +10~+20% |
標準電圧 | - | - | - | - | - |
90%電圧 | -19% | 変わらず | +6~+7℃ | +11% | -10~-20% |
(+):増加する
(-):低下する
弊社電源容量の都合上、定格電圧(3300Vや6600V)にて試運転ができない場合は、印加電圧を降下させ試運転をおこないます。
無負荷試運転については、印加電圧を降下させて試運転をおこなっても問題ございません。
モーター試運転については、弊社受電設備(電源容量)に依存します。
同じ電圧[V]、出力[kW]であっても、極数[P]やモーターメーカーによっては、
試運転できない場合もございますので、その都度お問い合わせください。
メタル軸受タイプの強制給油型については、設備の都合上工場内試運転できません。
その他弊社で試運転できない場合もございますので、
高圧機、大型機、低圧機の高出力モーターについては、その都度お問い合わせください。
上記の例は一般整備時の作業となり、別途精密絶縁診断等を実施することも可能です。
モーターオーバーホールは、高い技術力と知識、設備力が必要です。
75年以上の実績がある当社へ、ぜひご相談ください。